工学部長挨拶

近畿大学工学部
保護者懇談会開催にあたって

学部長写真

旗手 稔

保護者の皆様方には、平素より近畿大学工学部の教育に対しましては多大なるご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、近畿大学工学部は昭和34年呉市に創設され、その後東広島市に移転し、広島県内の大学としましても古い歴史(創設63年)を刻んでおります。この間、地元はもとより国内外の高度な技術産業界を支えるべき約2万7千人の人材を世の中に送り出すことができました。これもひとえに同窓生、保護者の皆様をはじめとする関係各位のご協力の賜物であると感謝申し上げます。

このような中、本学部では保護者の皆様方に同窓会報などを通じて、工学部の教育・研究活動についてその一端をお知らせするとともに、平成13年度以来ご子息・ご息女の学修状況や日頃の学生生活の状況を教員に直接お聞きいただき、ご質問にもお応えできる有意義な機会として「保護者懇談会」を開催してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響によりここ2年はやむを得ず中断しておりました。今年度は十分な感染対策を講じたうえで実施することに決定し、保護者の皆様方と大学の連携強化を図り、実のある教育を推進していくよう、鋭意努力してまいります。

私ども教職員一同は、保護者の皆様方の願いを実現すべく、学生に対して、質の高い教育と的確な指導・助言を行いながら、社会で信頼される技術者・研究者を目指し社会で活躍できる人材の育成にあたっております。すべての学生にこのような教育を提供するためには、教員が個々の学生と真剣に向き合って教育する熱意と、これをサポートする教育システムが重要であります。工学部ではチューター制度と併せて出欠管理システムを導入し、教員が学生と十分に向き合える姿勢を整えております。

工学部では教育改革に積極的に取り組み、近畿大学学園として大学基準協会の認証はもちろん、化学生命工学科、機械工学科、建築学科、電子情報工学科、情報学科の5学科が日本技術者認定機構(JABEE)の認定を受けており、外部より教育システムの質の高さを評価していただいております。さらに、工学部独自の外部評価委員会も立ち上げており、更なる教育の改善と研究の向上を目指しております。工学部の”教育”の中心と位置付けております「工学部教育推進センター」では、「学習支援室」を設置しており、工学を学ぶ上でかかせない数学、物理、生物、英語の基礎学力支援、大学院への進学のサポート、ネイティブスピーカーによる英会話レッスンなど、さまざまなサポートプログラムを充実させております。一方、教員の研究を「社会に役立つ研究」として推し進め、持続可能な社会を実現するための技術開発と地域産業の技術の発展に寄与することを目指している「次世代基盤技術研究所」があります。ここには、地域企業や研究機関等との連携の窓口として、「社会連携センター」と、研究を推進する「自動車技術」、「先端ロボット工学」、「建築環境」、「先端化学生命工学」、「サービス工学」、「3D造形技術」、「知能計測工学」の7つの研究センターを設置し、それぞれの研究成果の移転、各種連携・交流を進めるための技術的諸問題に対して、積極的かつ柔軟に対応しております。このような研究体制の下で、近畿大学が目指す「実学教育」と「人格の陶治」を旨とする教育研究に多くの学生諸君は接することができることから、実践的な成果の一つとして高い就職内定率に結びついているものと考えております。さらに、近畿大学学園のスケールメリットを生かした更なる”教育力”と”研究力”の向上を図りながら、学生の教育に専念する所存であります。

今後とも保護者の皆様方には近畿大学工学部の教育に対しまして、更なるご理解とご支援を賜りますとともに、「保護者懇談会」でいただきました貴重なご意見を教育システムに反映させ、さらに質の高い教育を目指し実践していく所存であります。ご多用とは存じますが、是非、保護者懇談会にご出席賜りますようお願い申し上げます。

令和4年8月